【実録】店舗物件の探し方-融資編その6:面談一問一答

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筆者は店舗仲介業と店舗開業の両方の経験者です。以下実例を踏まえて説明します。

面談対策のポイント、最終編となります。

前2回をまだ確認していない方はこちらからお読みください。

これさえおさえればもう大丈夫! 面談一問一答 

回答例はあくまでも一例に過ぎません。実態に合わせてご自身の言葉に置き換えてください。

内外装工事業者はどのように探しましたか?また、見積価格の妥当性や相場観を把握してますか?

回答例

工事業者は、前職でお世話になった上司から紹介して頂きました。1都3県を中心に年間100件以上も手掛けている実績のある店舗専門業者です。実際に当該業者が施工した店舗をいくつか拝見し、私のコンセプトにマッチしていることが確認できました。金額の妥当性については、物件を紹介してくれた不動産会社の提携先業者と地元の△□工務店にも相見積もりしてもらい検証しました。

開業費用は自己資金と借入金等の割合をきちんと把握したうえで決めていますか?

回答例

初期費用一覧をご覧ください。物件取得費のほか、グレードに合わせた内外装費や厨房機器代等、各項目について詳細に計算して必要金額を打ち出しております。自己資金では「物件取得費に係る費用」と「什器備品費」を、両親からの借り入れ金では「運転資金」を、そして貴行(公庫)からの融資では「工事費」を賄う計画としています。

初期費用一覧については、下記の記事を確認してください。

運転資金の準備は大丈夫ですか?

回答例

開業前にかかる広告宣伝費や人材募集費等が○○万円、開業後に利益が少ない場合等に補てんできる資金として△△万円を運転資金として準備しています。内訳は自己預金〇〇万円、家族預金△△万円です。

事業の収支計画についてお聞きします。実現可能となっていますか?見通しは過大となっていませんか?

回答例

楽観的な見通しとはしておりません。店長時代の実店舗の収支割合のほか現在開業している同業種の先輩の収支表も参考に、より現実的な数値を落とし込んでいます。また、想定外の事態も十分に起こり得るため、「売上高は低め」「経費は多め」といった悲観的なケースも試算してあります。この悲観バージョンでも経営が成り立つような収支計画になっています。

収支計画書の書き方はこちらの記事で解説しています。

候補物件についてお聞きします。前のテナントが閉店した理由などについて把握していますか?

回答例

不動産管理会社に確認したところ、前オーナーは10年ほど洋風居酒屋を経営していたそうです。経営不振で廃業したのではなく、事業拡大に合わせて駅前の大型商業施設に移ったと聞いています。

居抜き物件とのことですが、造作譲渡価格の妥当性を確認していますか?

回答例

造作費として〇〇万円、設備費として△△万円となっています。造作費の内訳は3年前に新調した「カウンター代」、設備費の内訳は「大型4面冷蔵庫代」と「ガスレンジ代」です。その他の設備等は耐用年数が過ぎていたので撤去してもらう予定です。

自己資金はどのように貯めましたか?預金通帳で確認することはできますか?

回答例

アルバイト時代から毎月定額を貯金してきました。会社員時代の1、2年目は手取りも少なくなかなか貯金に回せる余裕がなかったのですが、3年目からはボーナスの一部も蓄えに回してきました。こちらがその通帳です。

長年に渡ってコツコツ貯めている姿勢が大きく評価されます。タンス預金は見せ金と判断されるので禁句です。

当公庫で融資を受けたいと思った理由は何ですか?また、借入条件等について調べましたか?

貴公庫は、新規開業資金の融資に積極的な金融機関とお聞きしたからです。前職時代からお世話になっている先輩も貴公庫からのご融資で開業され、推薦してくれたことも大きな理由です。また、新創業融資制度は無担保・無保証人で金利は3%程度であることはホームページで確認しました。

女性、若者、シニアの方には通常よりも有利な条件で利用できる新規開業資金支援についてはこちらの記事を参照ください。

返済方法は、「元利均等返済」と「元金均等返済」どちらを考えていますか?また、その理由は何ですか?

回答例

均等返済を予定しています。返済額(元金+利息)が一定ですから、毎月の返済計画が立てやすいことが一番の理由となります。(元均等返済を予定しています。元均等返済よりも返済額の総額が少なく済むので、少なからず資金に余裕をもたせられることが一番の理由となります。)

ご両親やご兄弟からの借り入れの予定とありますが、返済方法などきちんと説明して理解を得られていますか?

回答例:はい。開業当初は売上げが安定しないことも予想されるため、軌道に乗ったあと(1年後を目途)に返済開始してもよい旨了承を頂いています。また、契約書(金額・金利・返済方法)もきちんと作成しております。

最後にひとこと

質問者はあらかた答えを分かったうえで質問しています。

とんちんかんで的外れな回答とならないようにしましょう。

もし想定外な質問がきても変に取りつくろうとはせず、「もう一度質問内容を伺っても良いですか」と仕切り直してください。こうすることで意外と頭も整理しやくなります。

それでもうまく回答できないようでしたら、「早急に確認し改めてご連絡します」と伝えるようにすれば大丈夫です。

ちょとした裏技

公庫には、ビジネスサポートプラザという相談窓口があります。

事前に創業計画書や融資について専門相談員からアドバイスや意見を貰えます。

面談時にも役立ちますし、面接官慣れにもなるでしょう。土日祝日も対応可能です。

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