筆者は店舗仲介業と店舗開業の両方の経験者です。以下実例を踏まえて説明します。
助成金や補助金についてのお得な情報をまとめました。知らないと損するだけです。
融資と違って基本的に返済義務がありませんが必ずしも採択されるとは限りませんし、受給申請から入金まで時間を要することもあるので、開業資金とは分けて考えましょう。
スピード感のある資金調達方法ではありませんから、開業後の運転資金に充当するイメージでいると良いでしょう。
助成金と補助金との違い
助成金は要件さえ満たしていればほぼ支給されます。
これに対して補助金は予算が決まっているため枠が埋まれば申請できません。
たとえ申請枠が空いていても審査(コンペ)を通過できなければ受給できません。
助成金は雇用保険料が財源となっていますが、補助金の方は国民の税金が財源となっているので難易度が高くなるのです。
助成金や補助金の種類は実に豊富
助成金
① 創業助成金
47都道府県の各自治体における助成事業です。
名称は各自治体によって異なりますが、ここでは東京都を取り上げます。
東京都創業助成金
対象者 | 都内で創業を予定されている方、創業後5年未満の中小企業者等のうち一定の要件を満たす方 |
限度額 | 100万円以上300万円以下 |
助成率 | 経費の2/3以内 |
対象経費 | 賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費 |
② キャリアアップ助成金
いわゆる非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成する制度で、1人につき最大72万円が支給されます。
③ 労働移動支援助成金
再就職援助計画などの対象者を離職後3か月以内に期間の定めのない労働者として雇い入れ、継続して雇用することが確実である事業主に対して、支給対象者1人につき30万円が支給されます。
④ 通年雇用助成金
北海道、東北地方など気象条件の厳しい積雪寒冷地において、季節的業務に従事する労働者を、さまざまな就業形態により冬期間も離職させず継続して雇用した指定業種の事業主の方に1人につき最大71万円が支給されます。
⑤ 中途採用等支援助成金
中途採用の拡大等に取り組む事業主に対して助成するものであり、中途採用率の拡大を行った場合に50万円(45歳以上の中途採用率の拡大を行った場合は100万円)が支給されます。
補助金
① 地域創造的起業補助金(通称:創業補助金)
雇用の拡大や需要の創造を促して地域経済を活性化させることを目的に、創業に要する経費の一部を補助するもので、50万円から200万円までの間で支給されます。
② 小規模事業者持続化補助金
「通常枠」、「賃金引上げ枠」、「創業枠」など6つの種類があります。たとえば、「賃金引上げ枠」では、販路開拓の取り組みに加えて最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上である小規模事業者には、200万円を上限に支給されます。
③ ものづくり補助金
働き方改革・賃上げ・社会保険適用の拡大等に直面する中小企業・小規模事業者等に対して、生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援するもので、100万円から1,000万円までの間で支給されます。
【こんなお得な制度も】 助成金や補助金ではありませんが、①会社の設立にかかる登録免許税を半額にできるほか、②日本政策金融公庫の新創業融資の自己資金割合及び利率の引き下げも受けられるメリットだらけの「認定特定創業支援等事業」というものがあります。対象者は、これから新規で創業する方だけでなく創業から5年未満の方も含まれます。筆者の創業時には知りませんでした。
どうやって申請するの?
はっきり言って、各種要件や申請方法の確認から書類作成までを全て素人が行うのは大変な作業です。自身の事業に手一杯の状態ですから、ここは専門家にお任せするのが得策です。餅は餅屋。
筆者も社会保険労務士に一任して満額受給できました。
法人設立等の代行申請は行政書士に、厚生労働省管轄の助成金や補助金申請は社労士に依頼しましょう。
専門家選びに困っている場合は、こちらまでご連絡ください。ご紹介可能です。
【最後にひとこと】
助成金や補助金については、名称も含めて随時内容が変更される場合があります。また、取り上げたもの以外にも様々な支援制度がありますから、社会保険労務士等の専門家に相談するなど積極的に最新情報を収集するようにしましょう。