「知って得する知らずに損する」不動産知識を分かりやすく説明します。
24時間安心サポートとは、入居中のトラブルに対応してくれる不動産管理会社のサービスです。
加入は必ずしも強制ではありませんが、貸主が不動産会社である場合には必須条件としている場合が多いようです。
費用は2年契約で15,000円から20,000円程度が一般的な相場となっています。
どんなサポートが受けられる?
サービス内容 | ひとこと |
---|---|
バス・トイレ・キッチンなどの水回りの故障 | これが一番多いトラブルです。 |
鍵の紛失 | 解錠できなかった場合は宿泊費の補助を受けられるサービスもあります。 |
電球や窓ガラスの交換 | 生活面と防犯面の両面をサポート。 |
ガスの故障 | 給湯器やコンロのトラブルに対応します。 |
騒音や不審者の相談 | 緊急を要するトラブルです。24時間対応は安心。 |
害虫駆除 | 女性にとっては安心なサービスです。男性も? |
パソコンのトラブル | 意外と知られていないサービスです。 |
自転車の修理 | これも意外と知られていないサービスです。 |
法律・医療・介護の相談 | 回数や時間に制限がありますが助かるサービスです。 |
エアコンやガス給湯器が故障した場合は自腹で直すの?
借主が自腹を切る必要はありません。
貸主は法律上、貸し室内の修繕義務を負います。自腹で支払って直した場合でも、貸主に請求すればその費用を払うよう法律で定められています(これを必要費償還請求権と呼びます)。
ただし、借主の不注意等で壊してしまった場合は当てはまりませんので注意しましょう。
エアコンの場合は注意が必要
気象庁によると、最低気温が25℃以上ある熱帯夜は1910~1939年では約9日しかありませんでしたが、直近30年間では3倍近くになっています。
冬の寒さは対策が可能ですが、暑さ対策は限界があります。
エアコンの故障は生命にも関わる一大事です。一刻も早く修理したいところですが、ひとつ注意するべき点があります。
それは前の住民が設置したエアコンである場合です。これは貸主の所有物ではなく残置物となりますので、貸主は修理や交換する義務を負いません。よって、自腹が原則となります。
もっとも、この場合でも、直す前に管理会社をとおして事前に相談するとよいでしょう。
貸主の方で直してくれたり、在庫のエアコンを設置してくれることもあります。
24時間安心サポートって結局のところ得するの?損するの?
経験した方ならわかると思いますが、専門業者に頼むと思っている以上に費用がかかります。
例えば、鍵を紛失した場合に専門業者に依頼するとシリンダーキーやカードキーの交換は10,000円〜15,000円程度、ディンプルキーの交換は15,000円〜25,000円程度かかります。
つまり、24時間安心サポートでは1回で十分に元がとれるのです。
ただし、作業時間が60分を超えるような特殊な修理だと追加料金が発生する場合がありますので、見積りをとってから作業に入ってもらいましょう。
火災保険で対応できるものもある
24時間安心サポートの加入は強制ではありませんが、火災保険の加入は実質的に義務づけられています。
この火災保険には24時間安心サポートのサービス内容と重複しているものが意外と多くあるのです。
以下は代表的な大手3社の付帯サービスです。基本的に24時間365日対応で作業料と出張費は無料(但し30分以内)となっています。
東京海上日動 | 楽天損保 | 損保ジャパン | |
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①水まわりのトラブル | 〇 | 〇 | 〇 |
②カギのトラブル | 〇 | 〇 | 〇 |
③ガラスのトラブル | 〇 | 〇 | 〇 |
④その他 | 医療相談 | 法律相談、エアコン故障 | 特になし |
火災保険の付帯サービスを確認してから「24時間安心サポート」の加入を検討してみてはいかがでしょうか
火災保険を自分で選びたい
必ずしも不動産屋がすすめる火災保険に入る必要はありませんが、注意したい点があります。
一般の賃貸用マンションでは自分で選ぶと割高になることがあります。
それは、一棟全体で同じ保険会社に加入することによりスケールメリットを活かしてひと部屋ごとの保険料が安くなるケースがあるためです。
一方、分譲用の賃貸マンションですと、部屋ごとにオーナーが異なるためこのスケールメリットを活かすことができません。
よって、借りるお部屋がどちらのタイプなのか把握してから決めると良いでしょう。
一般の賃貸用マンションと分譲用の賃貸マンションの違いと火災保険については下記記事で詳しく解説しています。